見過ごしがちなありふれた日常には、いたるところに花や植物の姿かたちが存在しています。私たちにとって花はそれほど当たり前で、生活文化に深く馴染んでいます。では、花や植物の姿かたちを取り入れたのはいつだったのでしょうか。
本書は、さまざまな造形に使われている花や植物の意味や歴史を紐解いています。染織における模様や昆虫との関わり、万葉集から感じ取る花に対する認識、江戸時代のアサガオの話など、多様な視点からの花について書かれています。また、NFDで招聘したこともある三井秀樹氏も本書に文章を寄せています。日本の紋様から見た花の造形美に対しての考察で、デザインとは何であるかを改めて考えるきっかけにもなるのでは。
まだ寒さが厳しい季節。家にこもる時間を、ぜひ読書にあててみてはいかがでしょうか。いままで気づかなかった新たな花のかたちを見つけることができるかもしれません。(蔵書番号:0000277)