“幸福の画家”として知られる印象派の巨匠、ピエール・オーギュスト・ルノワール。やわらかな光の描写やばら色の肌の女性など、穏やかで明るい色合いの絵を多く残したルノワールの作品を見たことがある人も多いのでは。
本書は2016年に開催された「ルノワール展」の図録です。オルセー美術館とオランジュリー美術館の両方から貸し出されたこの展覧会で、注目されたのは日本初来日だった「ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会」。明るい日差しに楽しげなダンスホールの雰囲気が、気分を明るくさせてくれます。その他にも「陽光の中の裸婦」や45年ぶりに同時展示された「田舎のダンス」と「都会のダンス」など、傑作と呼ばれる作品ばかり。また、晩年に描かれた「浴女たち」はリウマチで動かなくなった手に筆を括り付けて書いたという大作。ルノワールの魅力にあふれた本書には解説も多々あり、今では傑作と呼ばれている作品が当時は酷評されていたことや、作品制作の興味深い内容が掲載されています。また、年齢とともに作風が変化していく過程も見どころのひとつ。
NFDライブラリーでは本書以外にも図録を所蔵しているので、あわせて読んでみてはいかがでしょうか。(蔵書番号:0003009)