花や果物など、季節を感じさせる姿かたちをしている和菓子。ショーケースに並んだきれいな和菓子に、つい手が伸びてしまうなんてことも多いのでは。
本書は、長い歴史を持つ和菓子の基本的な部分を忠実に紹介したタイトル通り和菓子の教本です。餡を作る基礎にはじまり、練り切りや餅菓子、カステラなど、見たことのある和菓子の作り方が丁寧に紹介されています。細かい技法も掲載されていますが、こちらは家庭でのお菓子作りには専門的な内容で、やや高難度。他にも“12ヶ月の和菓子”と題した、歳時記のように季節を表した和菓子が紹介され、1月は松と梅、4月は桜と鼓、9月は菊と栗、12月は寒椿と垣根というように、花を模しているものもたくさんあり、日本人の生活の中でいかに植物が身近であるかが、和菓子からうかがうことができます。
和菓子は小さな形の中に季節の移り変わりや自然の風物を映しとっていて、それを感じることが魅力のひとつ。かわいらしさと美しさを兼ね備えた和菓子とともに季節の花も添えて、より深く四季を感じてみてはいかがでしょうか。(蔵書番号:0002983)