『フラワー デコレーション』
山本晃/著
新樹社/刊 1967年/発行 80ページ

 著者である山本晃氏は永島四郎氏に師事していました。著者のはしがきにもあるように、多くの影響を永島氏から受けていたことが窺い知れます。
 本書ではフラワーデザインの歴史をはじめ、色と光、色彩と装飾など多岐にわたって取り上げられています。特に歴史では、日常生活における花と人間とのつながりを捉え、紀元前の古代インドの時代にも花が身近であったことまで遡ります。その他にも、ワイヤリングやリボンの結び方などの基礎的な技術指南、イベントごとの装飾、それらに相応しい花やデザインはどういうものかなど、内容は盛りだくさん。シンプルな文章で読みやすく、写真やイラストも分かりやすく配置されています。誕生花や花言葉など、ちょっとした豆知識も入っていて、読み応えも十分。永島四郎氏の著書と合わせると、フラワーデザインに対する知識はさらに深まります。
 今回紹介している2冊は、現在ではなかなか手に入れることのできない貴重な図書です。当時のデザインや基礎を学びつつ、新しい現代のフラワーデザインに役立ててみてはいかがでしょうか。

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