フィトセラピー(植物療法)という耳慣れない言葉は、植物性の治療薬を用いた病気の予防および治療法のことです。本書ではフィトセラピーの基礎編と実践編に分かれており、基礎編では歴史や特殊性、副作用や相互作用など、処方の基本について書かれています。実践編では「消化器系と代謝系」「心臓と循環器系」「呼吸器系」などの様々な疾患に対して、治療に適した薬用植物とその薬効成分、調剤と服用方法など、植物の写真やイラストを組み込んで説明しています。また、随所に問題がちりばめられ、自分の理解度をさらに深めることもできます。日本語版では「東西薬用植物対照表」が独自収録されており、西洋ハーブと漢方生薬が一覧できるようになっています。
監修者である三浦氏は本書の中で、ドイツ植物療法を学ぼうとしている人や、東洋医学専門医、ハーブやアロマテラピーを学んでいる人、生薬学の研究者などに本書を広く薦めたいとあります。本格的に調べたいとき、専門的な知識の裏付けが欲しい時など手元にあると便利な事典です。