高校生活で夢中になれるもの。といえば部活動が挙げられるかもしれません。運動部から文化部まで幅広いジャンルがありますが、ここで紹介するのは花を使った部活動。そう、フラワーデザイン部。3年間という貴重な時間を花とともに成長していく。夢中になって花を追いかけるそんな高校生。そして、指導をする先生にフラワーデザインの想いを語っていただきます。
静岡県田方郡函南町にある創立120年以上の歴史をもつ公立の農業高等学校。通称:田農(でんのう)。生産科学科、園芸デザイン科、動物科学科、食品科学科、ライフデザイン科の5学科10コースがあり、実験実習を大切にし、地域を支える人材育成を目指しています。フラワーデザイン部は、農業部・運動部・文化部とあるうちの農業部に含まれ、フラワーデザイナー資格、フラワー装飾技能士、園芸装飾技能士の取得に加え、フラワーデザインコンテストなどの大会に積極的に参加しています。
鈴木芽生さん(3年生)
第18回NFD全国高校生FDC 奨励賞作品画像
関東東海花の展覧会 銅賞作品画像
高校3年間という時間は、人生においてわずかな期間です。3年間は1095日ありますが、田方農業高校の3年間の登校日は580日程度。フラワーデザイン部の生徒は引退が2月、家庭学習日、卒業式間近まで走るので800日以上部活動を行っています(笑)。それでも日々の高校生活は、大人になって振り返ると一瞬、閃光のような時間です。その時間の中で、人生の支えになる言葉や経験を授けることができたら教師冥利に尽きます。これからの時代、生きていくだけでも大変な時代だと感じます。そんな時代を駆け抜けていく生徒たちに、元気でたくましく人生を謳歌してもらいたいと願っています。植物に携わる仕事でなくてもフラワーデザイン部で得たことを胸に、自分の輝ける場所で自分にしかできない仕事、活躍を期待しています。
花は皆の身近にあり、生活を豊かにしてくれるものだと伝えたい。そして、フラワーデザイン部である生徒に対して、ものづくりの楽しさを経験し、花、そして部活動を通して、何か熱中できるものを探してほしい。理想を言えば、人生でこれだけは譲れない、誰にも負けないという気持ちをどんな分野でもよいので持ってほしいです。
赤池先生は日々仕事に忙殺されながらも、毎週火曜日には仕事を終えると、静岡県の伊豆から山梨県の甲斐市までレッスンに通っています。職場からだと片道約135キロ。山梨県の教諭時代から通っていた渡辺ひさ子先生が主宰するAphrodite design roomの生徒としてフラワーデザインの研鑽に努めています。授業や部活動でも助言をいただくことしばしばですが、ここで身に付けた技術力は、植物を見つめ直す重要なきっかけとなってると語ります。赤池先生自身も生徒のように大会に参加し、マネージメントだけでなくプレーヤーとしても日々フラワーデザインのすばらしさを生徒たちに伝えています。
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