花や植物の美しさを生活空間の中に構成するフラワーアレンジメント作品を、自由に楽しく、空間も含めた新たな造形手段として「フォト作品」に表現することで豊かな表現力を培います。全国各地からの高校生の広域参加により、未来を担うフラワーデザイナーの発掘を目的としています。
賞 | 氏名 | 学校名 | タイトル |
NFD金賞/文部科学大臣賞 | 宮田 紗紀 | 静岡県立田方農業高等学校 | 花によせる想い |
NFD銀賞 | 棚井 穂乃花 | 静岡県立田方農業高等学校 | 漲る |
NFD銀賞 | 鈴木 心暖 | 静岡県立田方農業高等学校 | 溢れる知識 |
NFD銅賞 | 長野 佳奈 | 鹿児島県立市来農芸高等学校 | なりたい自分 |
NFD銅賞 | 宮下 星来 | 群馬県立富岡実業高等学校 | つむじ風~大地を巻き込む風が吹く~ |
賞 | 氏名 | 学校名 | タイトル |
朝月真次郎賞 | 南 倫 | 鳥取県立倉吉農業高等学校 | Merry Christmas! |
山成美穂賞 | 御宿 夏帆 | 岐阜県立岐阜農林高等学校 | 星に願いを |
氏名 | 学校名 | タイトル |
榎 祐輝 | 岐阜県立岐阜農林高等学校 | 自然の息吹 |
森 順菜 | 岐阜県立岐阜農林高等学校 | 秋の香り |
芹澤 絢香 | 静岡県立田方農業高等学校 | 込み上げる感情 |
南雲 香澄 | 静岡県立田方農業高等学校 | 負けない |
牧 姫奈 | 鳥取県立倉吉農業高等学校 | 炎 |
谷口 陽葉里 | 学校法人飛騨学園 高山西高等学校 | 近未来 |
髙田 朋奈 | 愛媛県立西条農業高等学校 | New world |
氏名 | 学校名 | タイトル |
梅田 匠磨 | 岐阜県立岐阜農林高等学校 | 生命の息吹 |
竹中 愛心 | 岐阜県立岐阜農林高等学校 | 花鳥風月 |
安藤 優花 | 岐阜県立岐阜農林高等学校 | 元気の源 |
貝瀬 颯季 | 群馬県立勢多農林高等学校 | 託された鼓動 |
横田 和奏 | 静岡県立田方農業高等学校 | 芽生え |
和氣 彩音 | 静岡県立田方農業高等学校 | Lead COVID to finish |
石井 百香 | 群馬県立富岡実業高等学校 | 生き抜く強さ |
黒田 梨緒 | 兵庫県立農業高等学校 | 今を生きる私たち |
石川 亜子 | 愛知県立安城農林高等学校 | 想 |
近藤 沙衣 | 愛知県立安城農林高等学校 | 木漏日 |
齊藤 萌乃果 | 愛媛県立西条農業高等学校 | 雅 -MIYABI- |
曽我部 愛加 | 愛媛県立西条農業高等学校 | ~冬の訪れ~ |
金口 天音 | 愛媛県立西条農業高等学校 | 絆のつながり |
栗原 唯 | 福岡県立福岡農業高等学校 | 自立 |
佐藤 茜梨 | 秋田県立西目高等学校 | 秋の友達 |
外部審査員:朝月真次郎(戸板女子短期大学 名誉顧問)
「人生100年」と言われている現在、この一年間は新型コロナウイルスにより社会生活や経済は大いに抑制されました。
高校生の皆さまも外出自粛や休校、授業の短縮や部活動の自粛等でメンタルも沈みがちであったことと思われますが、第16回NFD全国高校生フラワーデザインコンテストでは、これまでにない程の応募作品数に恵まれ、本コンテストの「芸術への興味を促し、創造性に富む、情操豊かな人間性を培う」という理念をまさに体現するものばかりでした。
加えて作品の内容も進化し、躍動感みなぎる素晴らしい創作物であり、立体的に構築されたオブジェのようであり、フラワーデザインをとおして日常の幸せが感じられる、高校生の応募作品には、そんな計り知れないエネルギーがありました。
優秀賞受賞者の皆さま、おめでとうございます。皆さまはもう既にフラワーデザイナーとしての独自のオリジナリティある世界観を修得されており、作品の造形美からはその「タイトル」を表現するメッセージや豊饒なイメージが伝わってきました。
皆さまの力は、フラワーデザインの未来を更に輝かしい世界に導いてくれるものであり、以前とは変わってしまった私たちの日常、コロナ禍で過去の経験則が通用しなくなったこれからのライフスタイルに必須なものであり、今後皆さまがビジネスを行ううえではご自身を助ける強力な武器となるでしょう。私自身審査の際、皆さまの作品から優しい気持ち、元気、そしてデザインのインスピレーションをいただきました。受賞者の皆さまには、本当に感謝申し上げます。
「朝月真次郎賞」について
私の評価の基準は、私には出来得ない表現でありながらも「イノベーティブな感性」を持った作品です。私に大きなインパクトを与え、感銘を受けた作品が本作であり、タイトルは「Merry Christmas!」。クリスマスという言葉に連想される「華やかさ」がイメージされた「天空の楽園」から多様な幸せが地上に降り注ぐ、そのデザインにオリジナリティあるセンスと豊かな表現力を感知し、朝月真次郎賞を贈らせていただきました。おめでとうございました。
外部審査員:山成美穂(鎌倉女子大学短期大学部初等教育学科 准教授)
第16回NFD全国高校生フラワーデザインコンテストの審査員をさせていただき、誠にありがとうございました。この様な機会をいただいて大変光栄に思っております。今回、コロナ禍のパンデミックにより世界全体が不安に包まれているなかで、このコンテストも無念の延期を余儀なくされましたが、こうして無事に開催する日を迎えられ、たくさんの応募があったことは、本当に素晴らしいことだと感激する思いでいっぱいです。不自由を強いられる暮らしのなかでも、瑞々しい感性を真摯に磨こうとする力、自然素材と対話をしながら内なる世界を表現しようとする力が失われてはならないのです。人間には、そのような心の栄養となるような活動が必要なのだとあらためて痛感致しました。応募作品のクオリティも例年に負けず大変力強い作品ばかりでした。
さて、今回の審査では、デザイン性、オリジナリティある表現力、技術力、色彩のハーモニーと美しさや配色、完成度など、複数の観点から受賞作品を丁寧に時間をかけて選出致しました。また生き物としての花に対する人間の心が感じられるかどうかについても留意しました。どの作品も優れたハイレベルの作品ばかりで、甲乙つけがたいと感じましたが、そのなかから見事に受賞された方々、おめでとうございます。受賞作品は、作り手の素直な感性が感じられると同時に、力強さと優美さの共存、物語性や造形美が感じられる作品が多かったと感じています。しかしながら、惜しくも受賞を逃された方々も素晴らしい作品ばかりでしたので、どうか落胆することなく、引き続き表現することに喜びを感じる意欲を持ち続けて頂きたいと願っております。若い時に経験する悔しさは、大きな飛躍のバネになると期待しております。
受賞作品についてコメントを述べさせていただきたいと思います。「花によせる想い」という作品は、和紙に手縫いのあしらわれた美しい万華鏡のような円形のオブジェと花環が連なり、とても優美なハーモニーを奏でているのが印象的で、眺めているとうっとりとした気持ちになりました。
「漲る」という作品は、無機質な白い形状から溢れ出す花のパワーがタイトルの通りに漲っていて、躍動感と生命感が溢れている作品でした。「溢れる知識」という作品は、切り株のような円盤や開かれた本、葉っぱの敷き詰められた台座などの小道具が丁寧で細やかなつくりで、作品の趣を魅力的に引き立てていました。審査員賞として個人的に私が選ばせていただいた「星に願いを」という作品は、星をモチーフにしながらも、背景を夜空の黒にせず、星の形も使わずに月のフォルムで表現された木の枝によるベースと、咲き誇る花々と帽子の黄色によって星の瞬きを表現しているところに魅了されました。てっぺんに掛けられたピノキオの帽子が作品に遊び心を添え、星の瞬く月夜の晩に、ゴンドラに揺られるピノキオの姿が浮かんでくるようでした。
皆さんの作品に出会えて心から幸せに思います。最後に、高校生の皆さんにエールを贈ると共に、主催されましたNFDの皆様にもう一度御礼を述べさせていただきたいと思います。コロナ禍の逆境に負けない皆様の熱意に心から敬意を表します。貴重な機会をありがとうございました。
内部審査員:鎗田忍 NFDコンテスト審査員
「第16回NFD全国高校生フラワーデザインコンテスト」の審査に携わらせて頂きありがとうございました。今回のコンテスト開催にあたり新型コロナウイルス感染症の影響下で学校も長期の休みがありフォトコンテストに変更したとはいえ作品の制作にはご苦労があったことと思います。ご指導にあたられた先生方ご家族の協力もあり前回以上の作品数でした。
「Flower Power」という歴史的にも意味を持つテーマを皆さんがどの様に考え感じ表現されるのか期待して審査に臨みました。コロナ禍のためか力強いメッセージを感じる作品が少なかったように思います。その中上位入賞の作品は自らが強く表現したいことを明確にして様々な技法を用い工夫しています。
「花によせる想い」は花の力で繋がる仲間との強い絆を花のリングを繋げて表現しています。リング中央に貼られた和紙や花の色も黄色から赤色への綺麗なグラデーションが効果的で黒い背景が色彩の鮮やかさをより引き立たせた美しい魅力的な作品です。
「漲る」という作品は花そのものに力があるということをコンセプトにしています。白いプラスチックダンボールの土台に色彩豊かな花材が力強く印象的ですが花材の分量や配分にもう少し工夫があると良いでしょう。「溢れる知識」は花について学んだ知識が下方から上昇していき花となり本から溢れ出くる。工夫を凝らした土台で作品コンセプトを良く表現していると思います。
「なりたい自分」は植物の強い生命力を大きな木の根を土台にしてまっすぐ伸びる杉や水仙で表しまだ見ぬ将来に一抹の不安はありながらも希望をもって困難を乗り越えたいという力強さを感じます。後方の杉と重なるためかもしれませんが水仙の葉も使った方がより真っすぐ伸びてゆく力強さを表現できたと思います。
「つむじ風~大地を巻き込む風が吹く~」はつむじ風に巻き込まれながら花や落ち葉が力強く上昇するという動きを表現しイメージを良く捉えたタイトルです。背景に投影した雲竜柳の力強い動きが効果的でした。少し残念なのは横向きの花が多いことです。風をはらんだ花が前方に向かってくる様子を表現できるとさらに勢いのある作品になったと思います。
入賞された皆様おめでとうございます。残念ながら入賞を逃した方々も今回の経験をいかしてまたチャレンジしてください。審査を終えて感じたことはフォト作品の画面構成の表現です。多くの作品が撮影に工夫を凝らしていますが背景の面積の方が広いものや作品と同化して見えるものがあります。作品が主役になる配置や背景を考えイメージによっては無地の背景がより効果的なものもあると思います。また、デザインや土台は独創的でよいものの花材を詰め込みすぎている作品も多くありました。植物をデザインする際には花材の個性を見極めて選択し花の向きや動き、空間やメリハリをつけることも学んでほしいと思います。
出展された皆さんは今回の作品制作を通して表現することの楽しさや喜び、作品を完成させたときの達成感や伝えることの大切さを感じながら学び技術の向上だけでなくご自身の成長も実感できたと思います。
これからも素直な気持ちで花と向き合い感性豊かなフラワーデザイナーを目指してください。
内部審査員:矢崎伶奈 NFDコンテスト審査員
昨年からのコロナ禍にあって、行動自粛という限られた範囲の中でデザインを考え作り出す事の難しさは相当なご苦労があったことと思われます。しかし今回は、前回を大きく上回る応募数であったことが驚きでもあり、参加された皆様のフラワーデザインに対する真摯な気持ちが伝わり、今後のフラワーデザインの発展に大いに期待できるコンテストであると感じました。
「Flower Power」というこのテーマを、この時代だからこそ感じ取れるどのような作品があるのだろうとワクワクしながら審査に臨みました。思い描いたデザインをどのように制作し、そのイメージを崩すことなく写真でアピールすることは大変な作業ではありますが、その写真を見た時に感じるものをどのように演出するべきか…を考え表現されていた作品が上位に入賞していました。フラワーデザインのコンテストであるからには、やはり作品の持つ存在感・テーマ性等を訴える力が必要になります。そしてそこに加味されるのは、花を扱うことのテクニックではないでしょうか?
デザイン性・構成力など素敵だなと感じる作品はいくつかある中で、もう少し花を綺麗に見せるテクニックがあればもっと素晴らしい作品になるだろうと思うものは多くありました。多種類の花を組み合わせて構成するのは、バランスの取り方や配色など考慮しなければならないのですが、それぞれの花の存在感を無視してただ窮屈に押し込めるような扱いは、花のパワーを押し殺してしまいがちです。花の組み合わせ方、配置の仕方など今後学んでいかれることを望みます。
またフォト作品ということで、背景や色にこだわりすぎて、フラワーアレンジそのものの良さが見えないといった作品があったことも残念です。まずは自分のイメージしたフラワーデザインがより良く見える工夫をしていただきたいと思います。
そのような中で、NFD金賞に輝いた作品は、花の配置・色合い・全体の構成など良く考えられて制作され、背景を黒にして作品を際立たせていたのが印象的でした。
今後の皆様のご活躍を願い、いつか実作品を見せていただける日が早く来ますようにと願っております。
[名 称] 第16回 NFD全国高校生フラワーデザインコンテスト
[主 催] 公益社団法人 日本フラワーデザイナー協会 (略称:NFD)
[ 賞 ] NFD金賞、NFD銀賞、NFD銅賞、奨励賞 他
[出展料] 無料(ただし作品の応募にともない発生した諸費用はすべて応募者の負担)
「Flower Power」をテーマに70%以上が生花(土台含まず)で、花器または土台に構成されたアレンジメント作品。
「Flower Power」…
花が持つ力、花=力、花のエネルギー、その言葉はさまざまなとらえ方ができます。
その一方で、1970年代の若者たちが反戦や差別撤廃を求めた運動のスローガンでもありました。
「花びらが散るように、次々と平和の精神が根付きますように。」
50年経っても未だ残る戦争や差別、新たな危機が私たちを取り巻いています。
今、この時代を生きる私たちにとってのFlower Powerを、あなたなりの想いで、あなたなりの作品に込めてください。
未来はあなたたちのものです。
Flower Powerを掲げ、伝えたいことは何ですか?
2020年12月25日(金)時点において高等学校(高等専修学校含む)に在籍する者
1.フォト作品はカラーA4サイズの単写真プリント1枚(縦横自由、縁なし、日付なしのもの)でフラワーアレンジメントを正面から撮影したものとする。
2.制作過程の写真2枚(土台1枚、完成作品を別角度で撮影したもの1枚/サイズ自由)。
※ 1~2の合計3枚の写真の裏面に学校名と氏名を明記すること(跡がつくボールペンでの記入は不可)。画像加工は不可(画像加工とは実在のものを消したり、ないものを描いたりしたものや色を変えたもの、コラージュ等の加工を差します。ただし、トリミング、自然な濃度や色味の調整はこれに該当しません)。申込用紙に必要事項を明記し、
1~2 の写真3枚とともに、期日までに送付してください。
2020年10月1日(木)~12月25日(金)
2020年12月25日(金)必着 *受付終了しました
※配達途中の紛失に備え、できるだけ配達証明郵便や宅配便などをご利用ください。
〒108-8585 東京都港区高輪4-5-6
公益社団法人日本フラワーデザイナー協会(略称:NFD)
「第16回NFD全国高校生フラワーデザインコンテスト」係(担当:谷上)
Tel. 03-5420-8741 Fax.03-5420-8748
tanigami@nfd.or.jp