あけましておめでとうございます。
日本には古くから十二単(じゅうにひとえ)に見られるような、「重ね」の文化があります。
大和時代より包装材や仏具として使われてきた和の素材である経木と洋風の素材を組み合わせることで「異文化の融合」を図り、おもしろさをプラス。
全体を「マカロンカラー」で彩り、つる性の植物で動きを足し、明るく軽やかなイメージでデザインしました。
自然素材の経木や、もこもこした毛糸、温かみのあるフェルト、凹凸を楽しめるレース編みのリボンなど質感の異なる素材を重ね合わせ、さらにみずみずしい小花を合わせて、素材を重ねることで生まれる美しさが感じられる作品としました。
懐石盆にのせ、水引や松などを一緒に飾ると、新春の雰囲気で飾ることもできます。
花材:スプレーバラ、スイートピー、ビオラ、ヒペリカム、ブルースター、マトリカリア、ポリシャス、エレンダニカなど
資材:角材、支柱用ワイヤ、経木、フェルト、毛糸、リボン、スチレンボード、マスキングテープ、両面テープ、接着剤など
<作り方 >
角材に合わせて型紙を作り、経木(約300枚)とフェルト(20枚)は角材と同じサイズに、スチレンボード(8枚)は各辺5㎜程小さめにカットします。
型紙の対角線を書き入れ角材の上にのせ、中心に支柱用針金に合わせて穴を空ける。
支柱用ワイヤの先に接着剤を塗り、穴に差し込んで立てる。
経木を型紙に合わせ中心に穴をあけて針金に差し込み重ねていき、バランスを見てフェルトも重ねます。
スチレンボードは縁に両面テープを貼って毛糸やリボンなどを貼り付けて装飾し、同様に重ねます。
角材の2倍程度の高さまで重ねたところで、マスキングテープを縁に貼ったスチレンボードを重ね、支柱とのすきまに接着剤を詰めて下に水が流れるのを防ぎ、スチレンボードより小さめに吸水フォームをセットします。
また、 吸水フォームの縁に合わせて接着剤を多めに盛り、水が流れ出るのを防ぐための小さな土手を作っておきます。
支柱の先まで経木、フェルトなどをさらに重ねます。
ラインになるエレンダニカを全体にからませるように巻き付け、「重ね」部分に茎を差し込んで固定します。
花材がつぶれないように注意しながら高低差をつけて花材を一周分挿して完成です。
今年一年皆さまにとって良い年になりますように。
REPORTER
舛田 美由紀 Miyuki MASUDA
NFD本部講師 神奈川県支部
花ファッションデザインチーム