羽田空港と関西空港からそれぞれ飛び立ち、フランクフルト空港で無事合流。ベルリンへ向かう飛行機に乗継ぎ、夜にはベルリンのホテルに到着。今回はヨーロッパ在住のNFD会員の方も現地で合流し、全員揃って夕食を楽しみました。
このツアーのハイライトの一つである、「ジャーマンフローリストチャンピオンシップ2018(以下DMF2018)」を観覧。今回もベルリンの大きな商業施設のポツダムプラザアーケードを会場として行われました。
DMF2018は、NFDの友好団体であるFDF(ドイツフロリスト専門家連盟)主催によるフローリストの1位を競うイベントです。 ドイツ国内の予選を勝ち抜いた最高レベルのフローラルデザイナー10名がファイナリストとして選ばれ、第1競技から第5競技までを競います。
17日の第1競技から、第3競技までは、ベース部分までは完成させて持込み、競技時間内にそこに花入れをします。競技時間以外はアシスタントの補助も可能です。
NFDからのスペシャルプレゼント企画の第一弾として、この日は早朝からベルリンで一番大きな市場、「ベルリングロスマーケット(Berliner Großmarkt)」視察に向かいました。
案内してくれたのはなんとニコラウス・ペーターズ氏。講師としてNFDにも一昨年来日してくれたドイツでも実力のあるフローリストの一人で、親日家でもあります。
丁寧なニコラウス氏の説明を聞きながら、「鉢植え、切り花、資材」と3棟もの建物を視察。続いて資材の購入を楽しみました。
その後、ホテルに戻ったあとは、ベルリン市内観光に参加したり、DMF2018観覧をしたりと各々自由に過ごしました。
この日のDMF2018の会場では、多くの観客が見守る中、ファイナリストに選ばれた10名(男性2名、女性8名)のフローラルアーティストたちが第4競技と第5競技の作品を制作。その一部の作品をご紹介します。
最終的には、ミハエル・リブリッチ氏が5つのアレンジメントの全てにおいて、全競技者のなかで最高点(477,5ポイント)を記録。
こうして彼は優勝し、フローラルデザインの新たなジャーマンチャンピオンに選ばれました。
表彰式はベルリンの中心地にある有名なソニーセンターの映画館シネスターにて開催。
おおよそ600人のフローリストがこのイベントに訪れ、新たなドイツのフローリストのチャンピオンであるミハエル・リブリッチを称えました。続いて、2位には、ヘイコ・ステッドナー氏(475,9ポイント)、3位はフランジスカ・ストロブル氏(443,5ポイント)が入賞しました。
NFD賞もまた、最高のサプライズアレンジメントで100ポイントを獲得したミハエル・リブリッチ氏が受賞。テーマは、“ドイツの著名な科学者アルバート・アインシュタインに捧ぐ”でした。ミハエルさんは、完璧な技術力により、花をリース状に作り上げました。その作品の色合いの調和も、審査員をうならせました。
ベルリンに別れを告げ、シュトゥットガルト空港へ。
そこからウルズラ・ヴェゲナー先生の待つクライルスハイムへ空路で向かいました。
夜には到着し、NFDのレッスンでもおなじみの通訳さんも合流。イタリアンレストランで全員揃って夕食を楽しみました。
朝からウルズラ先生のスクールでレッスンを受けました。
今回のツアーは、NFD3級フラワーデザイナーからNFD名誉本部講師までと幅広いレベルの方々が参加していたため、ウルズラ先生にも予めレベルに応じた指導をお願いしていました。作品制作に入る前に、ウルズラ先生は各テーマごとに6点ずつデモを通して参考作品を用いて丁寧に説明をされました。
その後、各自制作に入り、講評をしてもらうというレッスンでした。
花材は驚くほどふんだんにウルズラ先生が用意してくれました
今日のテーマは、
シンプルな素材を植生と装飾の観点から発展させた作品
興味深いが一般的な素材を選択し、期待を超えたそしてファンシーなデザインに昇華する
夏の終わりのブーケ
夏の終わり/インディアンサマー(小春日和、晩秋から初冬にかけて、穏やかな暖かい天気を指す)の独特の雰囲気のあるブーケ
レッスン2日目。今日のテーマは、
1種類の花による決断
花から発せられる香気、花のポートレート
完成した作品それぞれに対して、ウルズラ先生から丁寧な講評がありました。レベルに応じた的確で温かい講評は、ツアー参加者からも大好評でした。「ウルズラ先生のスクールで、ご本人から直接レッスンを受けられて感動した」「とても貴重な経験をさせていただき、勉強になりました」とうれしい感想をいただきました。
夕方には、名残惜しい気持ちを抑えつつ、ウルズラ先生にお別れを告げて、再びシュトゥットガルト空港へ向かいました。パリ行きの飛行機に搭乗。夜にはパリ市内に入りました。
そろそろ疲れが溜まってきたので、14時までは各々自由に過ごしました。
14時からは、NFDの友好団体SNHF(フランス園芸協会)を訪ねました。
フランスでは、ちょうど長期の夏休みを楽しむバカンスの時期にもかかわらず、アートフローラル部門の理事長であるブルーノ・ランヴェルチ氏がデモンストレーションを披露してくださいました。
続いて、SNHFが誇る素晴らしい図書館を視察させていただきました。
この日は、終日自由行動。
モンサンミッシェル、ルーブル美術館、ショッピングなど各々パリでのひと時を満喫しました。
最終日は、NFDからのスペシャルプレゼント企画の第二弾として、朝からパリ最大規模のランジス市場の花き市場を視察に訪れました。案内は、パリ在住のフラワーデザイナーにお願いしていました。
24日の夜にパリの国際空港から日本への飛行機に乗り、25日の15時頃に羽田空港国際線ターミナルに到着。
全員揃って無事に帰国することができ、別れを惜しみながら、再会を誓って各々自宅への帰路につきました。
2カ国のフラワーデザインを十分に堪能し、内容充実の10日間となりました。このツアーでの経験が、参加した方々の今後のフラワーデザイン活動の一助となれば幸いです。ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。