この「滝区ササユリの里づくり事業」は、平成21年から取り組みが始まっています。 本年度は年間3回の「ササユリの里づくり事業」を実施していますが、第2回には当市の副市長、第3回目には市長が自ら訪れていただき、私たちにとってこの活動推進の励みになりました。 また、龍谷大学でササユリを研究されている先生方も来訪され、地域が一つとなってササユリの「保全活動」に取り組む場面を見ていただくこともできました。このようなことから、この事業の目的としている「ササユリの育成を通して、地域の活性化につながる。」ことが一歩ずつ進んでいると感じています。 住民の交流が深まりお互いの絆を築くことができたこと、企業はじめ高校生の多くの支援を得ることができたことにより、本事業がスムーズに展開することができたことと感じています。
● 甲賀市甲賀町滝区 ササユリの里づくり
オホーツク海沿岸に広がる小清水原生花園は,色鮮やかな花を咲かせる海浜植物が数多く自生しており,北海道を代表する自然景観のひとつとなっています。きたはなプロジェクトでは、小清水原生花園に隣接する道路法面(R244網走市北浜地区)を対象として、原生花園自生種を用いた緑化活動を行っています。道路管理者や地域住民、研究・教育機関、企業が連携し、採種・播種・苗移植により道路法面の景観改善を目指しています。 これまでにエゾスカシユリ、エゾカワラナデシコ、センダイハギ、アヤメ、ノコギリソウ等を対象に法面への導入が進んでいます。花あふれる道路法面への道のりはまだ長いですが、最適な導入種の選定や導入効率の向上を模索しながら活動を続けています。
● きたはなプロジェクト
ラン科は、生態適応のために独特な花の形成や特殊な生殖方式をそなえ、最も進化した植物として知られている。さらに園芸用など品種改良が行われることも多いためさらに多様な種が存在するが絶滅に瀕している種も数多くあるが独特な生活様式から人工栽培などによる保護が困難とされている。 本研究では、発芽などに菌根菌を必要とするムヨウランの中でも、ヤツシロランを研究材料とした。各地方で採取された複数のヤツシロランを用いて、菌根菌の同定に成功した。その結果、ラン-菌根菌の組合せの多様さを明らかにすることができ、人工栽培にも成功した。本技術は、他のラン科植物にも応用できるとも考えられ、ラン科植物の人工栽培と種の保全に大きく貢献出来ると考えられる。
● 澤 進一郎
毛呂山町は里山の静かな35,000人程の町。あやの郷福祉会は、鎌倉街道沿いの毛呂山町大類大地に辿り着きました。 4月事業開始し、雑木林のような畑、大木を切り倒し、根を抜き、黒い土が見えるのに半年。区画割りをし、整地作業・耕運機の試運転を皆で終え、その後の作業は急ピッチに捗りました。炭素循環農法を取り入れた農業は、自然の中でゆっくりと土は生まれ変わり豊かな土となります。野菜や花は必ず優しく人を守り、命を育みます。助成金によって揃えられた農機具と仲間は大地を育てる財産となりました。
● あやの郷福祉会
コシガヤホシクサは、1994年に唯一の自生地(茨城県下妻市砂沼)で水管理方法が変わったために消滅し、その後は植物園などでのみ保存されている野生絶滅種です。2008年から、コシガヤホシクサを野生復帰させるための保全研究プロジェクトを開始しました。 この中で、絶滅以前の水位管理・水環境に戻す社会的取り組み、様々な研究を行った結果、2009年に、16年ぶりに自生地で花が咲き、種子が実りました。しかし、今もなお野生の集団が自立して生育している状況にはなっていません。 私たちはNFD助成金によって、種子発芽の環境、生育時の光量および水温、さらに個体の密度について、コシガヤホシクサにとってのより良い条件を調査しました。その結果、必要な光の強さや生育できる水温、適切な個体の量などが明らかになりました。コシガヤホシクサが野生に戻ることができるように、さらに研究を続けていく予定です。
● 田中 法生
日本では、多くの初心者向けの図鑑が刊行されていますが、南西諸島ではイネ科を扱った入門図鑑はありません。そこで、本土向けに申請者らが刊行した『イネ科ハンドブック』 と同等な入門図鑑を作るため、南西諸島のおもな島で産量の調査・標本収集・生育状況の観察や生品の撮影を目的として調査を行いました。 南西諸島には、ツキイゲやクロイワザサなど、暖かいところに生える植物や、オガサワラスズメノヒエやツノアイアシなど、本土では珍しい帰化植物など、あまり知られていない魅力的なイネ科植物がたくさんあります。 2016年度は、春と初秋に石垣島と西表島で、夏に屋久島で、秋に沖縄本島で現地調査を行い、多くの種の生態写真や、同定に必要な部位のクローズアップ写真の撮影をしました。これまで3年間の事業で、計画していたほぼすべての種の写真を得ることができました。
● 木場 英久
私たちの学校の所在地である兵庫県篠山市は、平成21年に農都宣言を行い、平成27年には日本遺産に登録されるなど、農業と伝統文化を誇る町です。 しかし、近年急速に放置された竹林が増加し、里山や景観を破壊する環境問題を引き起こしています。早急に竹林整備を行う必要がありますが、コストがかかるため、整備が進んでいないのが現状です。 そこで、農業を学ぶ高校生の手で竹林を整備し、伐採した竹は破砕機でチップ化し、農業に有効利用する方法の模索を開始しました。そしてこれまでに竹の飼料化や堆肥化、地域の方に活動を知っていただくための門松づくり講習会などを実施し、地域の竹林伐採と啓発活動を活発に行いました。
● 兵庫県立篠山東雲高等学校
昨年7月には、岩手県一関市八越山での植樹へ苗木の提供と植樹体験ができました。 今後は、釜石市森林組合の協力を得ながら大震災復興植樹を約束されています。岩手生まれのどんぐりは、山梨県都留市で育てられました。その苗木たちは故郷の山へと帰ります。この小さな一歩の積み重ねこそ私達の未来への確実な道創りになるものと信じています。NFD助成金によって障がい者自らが育苗を通しさまざまな仕事の機会と人とのつながりを育てていく一歩を始めることが出来ました。これからも、森林の生態系再生を障がい者の仕事に出来るよう森づくり人づくり事業を続けていきたいと願っています。
● 社会福祉法人 あすなろの会