ジニア(ヒャクニチソウ)
この植物は、キク科の一年草で、メキシコを中心に南北アメリカが原産地です。この植物の学名は、ドイツ人の植物学者ジン(J.G.Zinn)氏の名前にちなむ「ジニア(Zinniea)」と、花の姿から「優雅」を意味する「エレガンス」からなり、「ジニア・エレガンス(Zinnia elegans)」です。ジニアは、この植物の通称名にも使われます。
日本には、江戸時代に渡来したとされます。夏の暑さや乾燥に強いため、春から咲きはじめた花は、秋まで長期間にわたって咲き続けます。そのため、花壇やプランターで栽培され、切り花や花束、ブーケやフラワーアレンジメントに重宝されます。和名の「ヒャクニチソウ(百日草)」は、花の咲く時期が長いことに由来するといわれますが、一つの花の寿命が長いことにちなむともいわれます。花期が長いので、「ウラシマソウ(浦島草)」や「チョウキュウソウ(長久草)」などの別名があります。
2016年1月、国際宇宙ステ―ション(ISS)から、この植物がタネから育ち花を咲かせたことが報告されて、この植物は、「宇宙で初めて花を咲かせた植物」と話題になりました。ISSから送られてきた写真には、一輪のオレンジ色の花が写っていました。
しかし、残念ながら、これは宇宙で咲いた最初の花ではありません。宇宙で最初に咲いた花は、シロイヌナズナという研究によく使われる植物の花です。でも、きれいな色の大きな花びらをもつ花としては、ヒャクニチソウが最初なので、今後も、この植物が「宇宙で初めて花を咲かせた植物」いわれるでしょう。
ヒャクニチソウは、キクやコスモスと同じように、昼が短く夜が長くなってきたら、ツボミをつくり、花を咲かせる植物です。ですから、ISSでも、長い夜が与えられながら栽培されました。ISSには、野菜などの植物を無重力の環境で育てる実験装置があり、光源は赤色、緑色、青色の発光ダイオードの光が使われています。(text:TANAKA Osamu)
花の形体や形態、キャラクターなどにより、作品のイメージに合った使い方をします。
ジニアは、太陽の光を全身で浴びようとするかのように上を向いて花開く姿や、群生する自然らしい様がとても愛らしい花です。一つひとつの花は存在感が弱い“わずかな主張度”ですが、密集することでその存在感と自然の美しさを発揮します。
資格検定試験では、群生する植物の美しさを表現する3級の「共同形態」などに使われます。また、“わずかな主張度”の花として、明るい花色で他の花を引き立て、色を添える役割もあります。(text:NFD)