春が待ち遠しい季節になりました。
今回の作品はテーマ『新しい可能性』から普段あまり組み合わせない高貴な花であるコチョウランと草花を組み合わせ新しい自然を表現してみました。
干し菊シート(菊の花びらを乾燥させたもの、食用)で地面を作り、季節の枝物のボケを折りだめしてフレームを作り、早春の庭のような和洋折衷なイメージで制作してみました。
<使用花材>
ミニコチョウラン、レウイシア、カルセオラリア、テタテート、ムスカリ(球根付)、SPマム、エピデンドラム、ビバーナム・スノーボール、ナズナ、ゼラニウム、オンシジウム、ボケ、ヘクソカズラ(ドライ)
枯れ枝、コケ
<使用資材>
干し菊シート、カラーボード(黒)、色画用紙(黄)、両面テープ、地巻線(茶)、#26ワイヤ(茶) 目打ち、花器(プラスチック)、小さなブリトラの花器
1)花器(プラスチック)の縁を利用して、カラーボードと色画用紙に円の形を描く。
カラーボードはカッターで円形にカットし、色画用紙はハサミで円形をくり抜く。
2)カラーボード(円形)の上に色画用紙(円形)を両面テープで貼り1つに重ねる。
色画用紙(円形)の上に両面テープを貼り、干し菊シートを貼る。(干し菊シートはメーカーにより形状が異なる)
色画用紙を貼っているので干し菊シートに隙間があっても大丈夫です。
3)花器(プラスチック)の中に吸水フォームを全面にセットしてから、枯れ枝を干し菊シート(土台)の上にのせて目打ちで穴をあけて地巻線で固定する。枯れ枝の形に合わせてボケを折りだめしてフレームのような形にする。ボケはステムティッシュなどで保水し、ビニールをかぶせその上を苔で隠す。
4)土台の干し菊シートに目打ちで穴をあけながら花を挿していく。細い茎の花が挿しやすい。
高貴な花や大きな花から挿していく。動きのあるナズナやテタテートは長く、硬いSPマムは低めにいれる。
5)撮影用のためムスカリは根っこままデザインの一部として利用するが、レッスンなどで使用する場合は根にコケを巻いておく。ムスカリはボケの枝の二股の部分を利用する。
6)ドライのヘクソカズラを空間の空いているところにかける。ひとつ前のシーズンを作品に入れることにより自然界に近くなる。
7)小さなブリトラの花器を逆さにしてその上に作品を乗せ、作品の重心をあげて完成。
ブリトラの花器は従来の使い方とは異なりますが既成概念にとらわれずにデザインを楽しみましょう。
平野 博美 HIRANO Hiromi
NFD名誉本部講師 兵庫県支部
花ファッションデザインチーム