ミントは、シソ科ハッカ属の植物の総称です。主に3つに分かれ、1つ目は「ペパーミント」で、これは「西洋ハッカ」ともよばれます。2つ目は「ジャパニーズミント」で、「日本ハッカ」ともよばれます。3つ目は「スペアミント」です。「ミント」は「ハッカ」の意味で、日本では「ハッカ」というと、日本ハッカを指すことが多いようです。

ペパーミントはヨーロッパ原産で、学名は「メンサ ピペリタ(Mentha piperita)」です。「メンサ」はハッカ属を意味し、ラテン語で「考える(mente)」を語源とし、ギリシャ神話のハッカに変えられたという女性の名前「メンテ」にちなむとされます。「ピペリタ」は、「コショウのような」を意味し、香りにちなむと思われます。
ジャパニーズミントは日本に自生し、学名は「メンサ カナデンシス(Mentha canadensis)」で、「カナデンシス」は「カナダからの」を意味します。また、「メンサ アルベンシス(Mentha arvensis)」といわれる場合もあり、「アルベンシス」は「野原に生える」を意味します。
スペアミントはヨーロッパ原産で、名前の「スペア」は「槍」のことで、葉っぱの形にちなみます。学名は「メンサ スピカタ(Mentha spicata)」で、「スピカタ」は「穂状をした」を意味し、花が穂のように咲くことにちなみます。

これらの植物の特徴は、いずれも清涼感のある香りですが、その香りの主成分は、ジャパニーズミントやペパーミントでは、メントールです。一方、スペアミントにはメントールは含まれず、カルボンやリモネンとよばれる物質が香りの主な成分です。
メントールを鼻で嗅いだり口に入れたりすると、“冷たい”という感覚が生じます。近年、冷たくはないのに“冷たい”という清涼感を感じるしくみが明らかになってきています。私たちの体の皮膚には、“冷たさ”を感じる「受容体」とよばれるものが存在します。
この受容体は、鼻や口の皮膚にも存在し、これが“冷たさ”を感じると、その刺激が脳に伝えられて、“冷たい”と感じるのです。ところが、この受容体は、“冷たさ”だけに反応するのではなく、メントールにも反応するのです。そのため、受容体が、“冷たさ”ではなく、メントールと反応すると、その刺激が脳に伝えられるので、脳は“冷たい”と感じるのです。(text:TANAKA Osamu)

フラワーデザイナー資格検定試験では

花の形体や形態、キャラクターなどにより、作品のイメージに合った使い方をします。
強い香りが特徴のミント。爽やかな香りは、飲み物やデザードのアクセントなどに使われているイメージが強い植物です。
フラワーデザインでは、自然感を表現する際に使用されます。主張度の弱い(=わずかな主張度)植物を群生させることで自然の美しさを表現します。
フラワーデザイナー資格検定試験テーマでも「共同形態」で使用されています。
また、香りは、フラワーデザインの造形としては二次的ですが、作品としてはとても大切な要素で、人に安らぎや癒しを与えて、心身をリラックスさせます。(text:NFD)


3級テーマ 「共同形態」

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