VINTAGE WEDDING FLOWERS
Vic Brotherson/著
Kyle Books/刊 2014年/発行 176ページ

 長い歴史を持つウェディングフラワー。著者であるヴィック・ブラザーソンはロンドンで「Scarlet & Violet」という花屋を経営するフローリストで、本書では著者が手がけたウェディングのフラワーデザインを多数紹介しています。
 ページをめくってまず目に留まるのは、花のありのままの姿を生かした白とグリーンのナチュラルなブーケ。それはまるで庭の草花を摘み取って作ったかのようで、国内のウェ
ディング誌でよく見かけるようなブーケとは違う魅力があります。
 本書は優しい色合いが多く見られ、それは清楚な花嫁がイメージされるからなのかもしれません。たとえば、カスミソウだけを使ったシンプルな花飾りは花嫁の純潔を、マトリカリアだけを束ねたブーケは自然な可憐さを感じさせます。もちろんシンプルなデザインだけではなく、ピンクのバラを使ったロココ風のデザインから、赤や紫の花と果実を合わせた重厚な色彩のテーブルセッティングなど、バリエーションも豊富。明るい日差しの中で撮影されたブーケやテーブルデザインも多数あり、カラフルな花の世界観に惹き込まれます。掲載された写真のひとつひとつが美しく、ウェディングフラワーの魅力を再発見できるおすすめの1冊です。

follow us