花や草で描かれた風景、あるいは生活の中にあるもの、印象から創り出されたもの、グラフィカルに形作られたもの。ラッフェルの制作したこの2冊にはフローラル・コラージュの持つ魅力や面白さがたくさん詰めこまれていて、本を読むというよりも、まるでアルバムをめくっているかのようです。静かな印象の青い湖だったり、落ち着いた色彩の山のふもとだったり、多彩な色彩も魅力のひとつ。
コラージュとは現代絵画の一技法で、フランス語で糊づけを意味します。植物素材を用いたフローラル・コラージュは、フラワーデザイン大賞の一部門としても発展を遂げ、近年ではフラワーデザイナーの作品が二科展でも入賞しています。
本書は1985年に1冊目が、1989年に2冊目が出版されました。2冊目はドイツ語の他に英語が併記されています。立体的なコラージュが多い1冊目と、色合いがより豊かに感じられる2冊目。どちらも「この植物は何?」と思って眺めているだけで、時がたつのも忘れてしまいそうです。