美しい四季に恵まれた日本では、古くから花や植物をモチーフにしたものが多くあり、暮らしのなかで自然と寄り添っています。もちろんそれは、身に纏う布の柄も例外ではありません。
本書は、たくさんの着物や帯、布の中から多彩な花柄に焦点を当てた一冊です。表紙を見てもわかるように、華やかで色とりどりのデザインはバラエティ豊かで、今見ても素敵なものばかり。描かれた花は代表的な桜や梅、百合や薔薇、菊などのほかにも数え切れないほどで、その種類やデザインの多様性に驚きます。
現代のように情報収集が容易ではなかった時代だからこそ、情報に惑わされることもなく、海外の文化を取り込んだ自由な発想が生まれたのかもしれません。今は着物を着る機会が少なくなりましたが、海外のファッショントレンドにも花柄は多く用いられていて、心を晴れやかにしたり、明るくしてくれます。本書を眺めながら、お気に入りの花柄を探しつつ、自分だけのデザインを考えてみるのもおすすめです。(蔵書番号:0003098)